好かれる話し方のコツは、「話し言葉」にあります。
聞き手が、「耳」で聞いて、理解しやすいように、難しい熟語や、聞き慣れない表現は、避けるべきです。
目次
①難しい表現は、避ける
日本人は、人前に出ると、思いっきり背伸びをして、難しい話をしたがるものです。
普段は用いない難解な言葉や、理解できないような表現を、使いたがります。
「人間性に対する本質的価値を付与することもさりながら、価値剥奪も一定のメリットをもつと思われます」
…これでは、聞き手の頭を混乱させるだけで、話す効果は上がりません。
「私たち、人間は、ほめるだけでなく、ときには、けなすことも必要です」
このように、わかりやすく話せば、全員が理解できます。
そもそも、難しい言葉を使う理由は、
- 「人に馬鹿にされたくない」
- 「自分を格好よく見せたい」
このような意識が働いているのが原因です。
こうした意識が強すぎると、
- 人前でうまく話せなかったり、
- 緊張・あがり症に拍車をかけたりする結果となるのです。
②「漢語」は、話し言葉に置きかえる
例えば、朝礼の打ち合わせなどで、
「各管轄責任者は、作業の進行状況を詳細に把握して、要所要所で状況伝達を密に行って下さい」
…などと伝えては、大体の意味は、理解できても、重要なポイントは、頭の上を素通りしてしまいます。
こんな言い方をするよりも、
「それぞれの持ち場の責任者の方は、仕事の進み具合をよく見ておいてください。そして、そのつど、連絡してください」
こう言ったほうが、よっぽど、わかりやすいのです。
人前で話すときには、「漢語」(漢字音で読む熟語)を、なるべく、使わないようにしましょう。
書き言葉で表現された「漢語」は、目で見るからこそ、意味がつかめるのであって、
耳で聞いても、すぐには理解できないものが、多いからです。
例えば、電話の対応で、
「ただいま〇〇は、リセキしております」と伝えるよりは、
「ただいま〇〇は、セキをハナれております」こう伝えたほうが、わかりやすいのです。
(※席を離れる「離席」)
テレビのニュースなどでは、アナウンサーの読み上げる記事のなかで、聞き取りにくい、新しい言葉が出てくると、字幕などで解説することがあります。
私たちが人前で話すときは、このようなことはできませんから、
原稿を作成した時点で、口に出して読んでみて、スッと耳に入ってこない表現は、わかりやすい言葉に、置き換えるようにしましょう。
熟語だらけだと、わかりにくい。わかりやすい言葉で、表現しよう