好かれる話し方のコツは、「比喩」(ひゆ)にあります。
特に印象に残したい箇所で、比喩表現を使うと効果的です。
目次
1. 比喩とは ~比喩表現、比喩法~
比喩(ひゆ)とは、
ある物事を説明するために、
共通した特徴のある、他の物事に、例える、表現方法です。
比喩を使うと、抽象的な言葉でも、具体的に表現することができます。
例えば、
「人生とは」などという、抽象的な言葉を説明するのは、非常に難しいですし、時間もかかります。
哲学的な話になるため、いくら説明をしても、聞き手を納得させるのは困難でしょう。
ところが、比喩を使って説明したら、どうでしょうか?
「人生とは、マラソン競技のようなものである」
このように表現すれば、聞き手は、なんとなくわかったような気がします。
…なるほど、有終の美を飾るには、スタミナの配分も大事だし、周囲のペースに巻き込まれずに、自分のペースで走れということだな…
比喩を使うことで、複雑な内容を、瞬時に、理解してもらえるのです。
2. 直喩とは ~直喩法~
比喩にも、種類がいろいろありますが、
一般的に使われるのが、「~のように」という形式で用いる「直喩」(ちょくゆ|明喩、めいゆ)です。
例えば、激しい雨の降り方を描写するときに、
「水面は、まるで煮えたぎった鍋の表面のように、無数に水がはじきかえっています」
このように表現することで、どしゃ降りになっている情景が、思い浮かびます。
比喩・直喩を使うことで、聞き手の頭のなかに、話し手の伝えたい情景がはっきりと思い浮かぶのです。
3. 好かれる話し方のコツ
話のカギを握る「重要な数字」が出てきたときは、比喩を使うといいでしょう。
例えば、
「夏場の東京都の水道の使用量は、598万2000トンもあります」
という話をしたとき、パッと聞いただけでは、どのくらいの量なのか、見当もつきません。
ところが、
「東京ドームを一升だとしたら、12杯分もあるんです」
このように、比喩を使って裏づけると、聞き手にも『ウワッ、すごいな…』という実感がわいてきます。
特に印象に残したい箇所で、比喩表現を使うと効果的