日々を漠然と過ごしていては、面白い話のネタには出会えません。
普段から、アンテナを張り巡らせておくためにも、次の4つの習慣を、身につけてください。
目次
話のネタがどんどん見つかる「4つの習慣」 ~面白い話ネタ、朝礼ネタ~
自分の体験以外にも、話のネタは、豊富にあります。
- 新聞、
- テレビ、
- 雑誌、あるいは、
- 人から聞いた話題など
あなたの話に、幅と深みをもたらす、いい材料になります。
普段から、アンテナを張り巡らせておくためにも、次の4つの習慣を、身につけてください。
①ネタ探しを習慣づける
日頃から、
- 貴重な体験をしたり、
- 人の話を聞いて、面白いなと思ったら、
すぐにメモする習慣をつけましょう。
新聞や雑誌で、面白い記事が見つかったら、
- 切り抜くか、
- 該当する箇所に印をつけておきます。
話のネタが徐々に増えていくうちに、収集すること自体が楽しくなりますし、ますますセンサーが磨かれていきます。
②鋭い観察力をもつ
日々を漠然と過ごしていては、面白い話のネタには出会えません。
現象の裏に隠れた本質を感じ取るような「観察力」を身につける必要があります。
子供というのは、こうした鋭い観察力をもっているものです。
ある街で、強盗殺人事件が発生したときの話です。
犯人が押し入った家から出てきたところを、たまたま道で遊んでいた、6歳になる女の子が目撃したのです。
ほんの一瞬の出来事でしたが、女の子は警察に、
「背はね、うちのパパよりも、もっと高い。メガネをかけていて、ヒゲを生やしていた。頭はクリクリの坊主で、Gパンはいてたよ」
と、ここまで詳しく語ったそうです。
絵の上手な刑事さんが、似顔絵を描いていると、
「こんなに太ってないよ。もっとスラっとしてた」
などと、訂正するほど、正確に観ていたのです。
この絵が手がかりとなり、前科のある男が逮捕されました。
子供は、これくらい観察力が鋭いのですが、大人になるにしたがって、先入観や世間の常識などによって、目が曇っていくようです。
子供の頃の好奇心を思い出して、少しでも関心をもつ事柄を見つけたら、心に留めて、観察する癖をつけましょう。
③問題意識を働かせる
毎日の生活を送るなかで、「なぜ」「どうして」という知的好奇心をもち、新しい発見をしていくということです。
俳人の故・楠本憲吉(くすもとけんきち)さんは、とても話の上手な人でした。
あるとき、楠本さんは、こんな話をしていました。
ーーー
私が、京都で舞妓遊びをしたときに、舞妓さんから、プロ根性を学びました。
ある料亭で、大文字焼きを見ながら、酒を酌み交わしていました。
時間がたち、尿意をもよおしたので、トイレに立つと、
一人の舞妓さんが、一緒についてきます。
トイレまで案内したら、席に戻るのかな…と思ったのですが、一枚の戸を隔てて、
「京都の加茂川は…」
などと、盛んに話しかけてくるのです。
落ち着いて、用を足すことさえ、ままならぬ程、よくしゃべります。
「なぜ、そんなによくしゃべるの?少し、黙っていてくれないかな」
こう言うと、舞妓さんは、あざやかに答えました。
「男はんがお酒を召し上がっているときは、現実の世界から離れて、一番幸せな時間どす。
しかし、家庭のこと、お金のことなんかを思い出すのが、必ずトイレどす。
トイレで我に返られては、お酒は楽しく飲めへんのどす。
せやから、うちは男はんに楽しい時間を少しでも長くもっていただくために、トイレに入っている時間に、一番気を遣おうてます」
この舞妓さんのプロ意識に、私は感動しました。
ーーー
楠本憲吉さんは、舞妓さん遊びをしているときにも、常に、問題意識を働かせたからこそ、素晴らしいことに気づけたのです。
このような習慣を身につけて、日々の出来事のなかから、新鮮かつ興味深いネタを選び取りましょう。
④自分の意見をもつ
自分の体験にしても、新聞の記事にしても、
何の料理もしなければ、単なるネタでしかありません。
しっかりと、自分の意見を加えることで、独自の体験として、聞き手の心に残るのです。
次に紹介するのは、ある家庭の主婦の話です。
ーーー
息子が、小学校一、二年のときは、ベテランの女の先生が、担任でした。
とても教育熱心なので、安心して息子を学校に預けることができました。
でも、三年生になったとき、担任が、若い男の先生にかわりました。
この先生は、経験年数も浅く、頼りないので、心配しました。
しかも、忘れ物などをすると、棒で生徒のおしりを叩くので、よけい心配が募ります。
しかし、この先生が担任になってからは、クラスの子供たちは、休んだり、遅刻をしたりする子が、いなくなったそうです。
そればかりか、クラス全体の成績が、とてもよくなったのです。
この秘密はどこにあるのかを探ってみると、先生の行動にありました。
先生は、一時間の授業が終わり、休み時間になると、子供たちと一緒に校庭で遊んだり、駆け回ったりするうえに、
昼休みには、お弁当を教室に持ってきて、生徒たちと食事をするそうです。
生徒たちにとっては、先生というよりも「仲間」という感覚のほうが強いらしく、
息子などは「毎日学校に行くのが、とても楽しい」と言っています。
私は、今まで、ベテランの先生に担任になってほしいと思っていました。
でも、子供たちから見れば、自分たちと同じ目線で考え、話してくれる先生が、本当にいい先生なのだということが、よくわかりました。
ーーー
この主婦の話は、どうでしょうか?
学校のよくある風景を観察し、「なぜ、この先生に人気があるのか?」という問題意識をもったのです。
その結果、「子供は、自分の目線で接してくれる先生が、いい先生だと感じる」ということに気づきました。
独自の視点で考察することで、子供たちと先生のあたたかな交流を、発見することができたのです。
面白いと感じたことは、メモしたり、「なぜ」「どうして」と考える癖をつけよう