相手に否定されたと思われずに、自分の意見を主張できる、効果的な方法があります。
…それは、③「イエス・アンド法」(YES・AND法)です。
目次
①「イエス・バット法」(YES・BUT法)
相手の意見を否定して、自分の意見を言うには、
①「イエス・バット法」(YES・BUT法)がいいと、よく言われています。
- 「そうですね」
- 「確かにその通りだと思います」
- 「言われていることはよくわかります」
と、いったん、その意見を「肯定」(イエス、YES)して、その後に、
- 「でも…」
- 「しかし…」
- 「ですが…」
と、自分の主張したい「反対意見」(バット、BUT)を述べる、という方法です。
いったん、相手の意見を受け入れているため、相手は悪い気はしないのだそうです。
…でも、本当にそうでしょうか?
私は、「でも…」(バット、BUT)がきた瞬間に、
「カタチだけですか…」
と、つい思ってしまいます。
そもそも、
「BUT」は、その前に言ったフレーズを打ち消し、その後のフレーズを強調する作用があります。
ですので、
言われた相手は、自分の意見が否定されたうえに、反対の意見を強く言われた印象を受けるのです。
②「イエス・バット・イエス法」(YES・BUT・YES法)
もっと、気の利いた人なら、
②「イエス・バット・イエス法」(YES・BUT・YES法)がいい、と言うかもしれません。
- 「そうですね」
- 「確かにその通りだと思います」
- 「言われていることはよくわかります」
と、いったん、その意見を「肯定」(イエス、YES)して、その後に、
- 「でも…」
- 「しかし…」
- 「ですが…」
と、自分の主張したい「反対意見」(バット、BUT)を言い、そして、さらにその後に、
- 「あの意見は良かったです」
- 「さすが、いいところに気づいていますね」
などと、相手を、肯定したり、ほめたり、最後を「肯定」(イエス、YES)で終わらせる、という方法です。
確かに、一見すると、良さそうです。
接客でも、最後の対応が一番相手の印象に残るから、最後には良い印象にしたほうがいいのは、わかります。
しかし、これでは、意見として、どっちつかず…というか、
結果的に何を言いたいのかが、よくわからなくなってしまいます。
また、嫌われたくないから、自分の意見に近づいてきた…という印象を、相手に与えてしまうかもしれません。
③「イエス・アンド法」(YES・AND法)
相手に否定されたと思われずに、自分の意見を言うには、
③「イエス・アンド法」(YES・AND法)が、効果的です。
- 「そうですね」
- 「確かにその通りだと思います」
- 「言われていることはよくわかります」
と、いったん、その意見を「肯定」(イエス、YES)して、その後に、
- 「だから…」
- 「ですので…」
と、自分の主張したい「反対意見」(アンド、AND)を続けるのです。
例えば、相手の意見に対して、
①「確かにその方法もいいですよね。でも、こうしたほうがいいと思います」ではなく、
③「確かにその方法もいいですよね。だから、こうしたほうがいいと思います」と、述べるのです。
言っている内容は、同じです。
①「でも」(バット、BUT)を、③「だから」(アンド、AND)に、変えただけです。
①「でも」(バット、BUT)と聞くと、
その時点で否定された気分になります。
しかし、③「だから」(アンド、AND)と続くと、
後にくる意見が自分を否定する内容であったとしても、どこか肯定されているような錯覚を起こすのです。
すると、相手の心に入りやすくなります。
例えば…
相手の「今、新宿店にお金をかけて、新しく改装すべきだ」という意見に対して、
あなたは「まず先に、従業員の教育にお金をかけるべきだ」という相反する考えを持っていたとしましょう。
その際に、
①「確かに新宿店の改装もいいですよね。でも、まず先に従業員の教育にお金をかけたほうがいいと思います」を、
③「確かに新宿店の改装もいいですよね。だから、まず先に従業員の教育にお金をかけたほうがいいと思います」に、変えるだけです。
もしかすると、ちょっとしたことだって思うかもしれません。
ですが、人と人との会話は、
- ちょっとしたことで、争ったり、
- ちょっとしたことで、信頼しあったりするものです。
だからこそ、③「イエス・アンド法」(YES・AND法)は、効果的なのです。
簡単に使えますので、ぜひ、使ってみてください。