「あがり症に、お薬は必要ありません」
まずは、あがり症が、病気などではなく、正常な脳の働きであることを自覚しましょう。
目次
1. あがり症の仕組み、メカニズム
あがり症は、脳が正常に働いている証拠です。
私たち人間の脳は、生命維持のための、セキュリティ機能を備えています。
例えば、物理的危険を察知したとき、
私たちの体は、素早く対応できるように、筋肉を固くします。
これは、脳のセキュリティシステムが、物理的危険から、生命を守ろうと作動した結果です。
同様に、精神的危険を察知したとき、
私たちの体は、その危険から、生命を守ろうとします。
自尊心が傷つけられるかもしれないと感じた瞬間、脳は、あがり症というアラームを鳴らすのです。
- 心拍数が上がる
- 血圧が上がる
- 顔が赤くなる
- 声や手足が震える
- 汗が出てくる
- 頭が真っ白になる
など
生まれつき、あがり症の人など、いません。
必ず、過去のどこかで、自尊心が傷ついた経験があったはずです。
朝礼や発表など、人前で失敗した経験、人から発声を笑われた経験など。
もしかすると、自分でも忘れているようなことかもしれません。
それでも、人は、常に、過去の経験に基づいて、未来を予測していますから、
「過去もこうだったから、未来もこうだろう」と予測してしまうのです。
2. あがり症は、病気ではない
「ノルアドレナリンの構造」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)
私たちの体の情報は、
脳と脊髄、そこから出ている神経の束「神経系」(nervous system)と、
その神経系を経路として、体内の情報を伝達する物質「神経伝達物質」(neuro trans mitter)によって、
やり取りされています。
そして、あがり症は、
興奮の神経「交感神経」(Sympathetic nervous system)という、神経系、
覚醒や興奮に関係している「ノルアドレナリン」(nor adrenaline)という、神経伝達物質が、
大きく関係しています。
ノルアドレナリンは、緊張や不安を感じたときに、活発に分泌され、
交感神経を、刺激し、
心拍数や体温、血圧を上昇させ、
動悸や発汗、震えなどの症状を、引き起こします。
誰でも、緊張すれば、神経系のうち、交感神経が優位になります。
つまり、
あがり症は、誰にでも起こる、正常な反応なのです。
精神医学で、
日本における特異的な恐怖症「対人恐怖症」(Taijin Kyofusho Symptoms、TKS|Symptomsは、症状の意)、
(※アメリカ精神医学会によって出版されている『精神障害の診断と統計マニュアル』Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders、DSMより)
特に、日常生活に支障をきたすものを、
「社交不安障害」(Social Anxiety Disorder、SAD)、
文化精神医学で、
日本で顕著な「文化依存症候群」(Culture-Bound Syndrome、CBS、カルチャー・バウンド・シンドローム|文化結合症候群)、
などと、言われていますが、
いずれにしても、
ここまでは正常、ここから病気、といった、明確な区別はありません。
そもそも、うつ病(depression)をはじめとする、精神疾患(精神病)のほとんどは、
定義がひどく曖昧で、明確な診断基準などありません。
にもかかわらず、
特に、体も調べずに、
それを、あたかも病気のように扱って、
点数稼ぎに、お薬を処方する、悪質な精神科、心療内科が、跡を絶ちません。
あがり症は、病気ではありません。
あがり症に、薬は必要ないのです。
☆まとめ
あがり症は、正常な脳の働き
あがり症は、病気ではない
あがり症に、薬は必要ない