「自分を、信じて下さい」
気持ちだけでは、どうにもなりません。
ですが、気持ちがあるに越したことはないのも、また、事実です。
何をするにも、最後は、気持ちです。
精神論を身につけて、人前で話すことに自信を持ちましょう。
目次
1. あがり症の心理学
アメリカの心理学者「ウィル・シュッツ」(Will Schutz)博士は、
人の心理、自尊心には、
①自分が、好かれたいという感情「自己好感」、
②自分が、重要な存在として認められたいという感情「自己重要感」、
③自分が、有能であると評価されたいという感情「自己有能感」、
という、3つの感情、欲求があると言います。
そして、これらが傷つけられるかもしれないと感じた瞬間、
人は、「緊張」「あがり症」という症状を、引き起こし、
これら、3つの感情、欲求が過度に働くことで、
人は、自分が他人にどう見られるかを考えすぎるという「自意識過剰」を、引き起こすと言います。
症状が嫌で、治そうと意識すればするほど、症状は悪化して、悪循環に苦しめられることになるのです。
「…意識 → 症状 → 意識 → 症状…」
2. あがり症を克服する精神論
①普通であることを、自覚しよう
②巧遅ではなく、拙速になろう
③とにかく、行動しよう
④大きな声を出そう
⑤自己開示しよう
☆終わりに
①普通であることを、自覚しよう
人は、誰でも、緊張します。
日本人のおよそ8割は、人前に出るとあがってしまうと言われています。
「緊張」「あがり症」は、ごく普通の反応なんです。
もしかしたら、人前で堂々としている、あの人も、あがり症かもしれません。
芸能界を引退した、あの「島田紳助」(しまだ しんすけ)さんも、あがり症だったみたいです。
ですので、自分があがってしまっても、落ち込む必要はありません。
もちろん、落ち込んでしまうのも、普通の反応です。
普通であることを、自覚しましょう。
②巧遅ではなく、拙速になろう
巧(たく)みで、遅い「巧遅」(こうち)と、
拙(つたな)く、速い「拙速」(せっそく)。
あがり症の多い、日本には、巧遅、完璧主義の方が多いです。
中国の散文選集『文章軌範』(ぶんしょうきはん、Wen-zhang gui-fan)には、こんな言葉があります。
「巧遅は、拙速に、如(し)かず」
巧遅は、拙速に、及ばない。
出来が良くても、遅いのは、
出来が悪くて、速いのに、及ばない。
現に、
完璧じゃなくても、拙速に行動する人の方が、大きな物事を成し遂げています。
人前で話すことに、たくさん失敗した方が、人前で話すことに、上手になれる、
ということです。
巧遅ではなく、拙速になりましょう。
③とにかく、行動しよう
緊張、あがり症の原因のひとつに、不安要素が多いことが、挙げられます。
- もし、頭が真っ白になったら…
- もし、言葉に詰まったら…
- もし、マイクやスライドが故障したら…
不安だと思う要素を、ひとつずつ、つぶしていきましょう。
そうすることで、本番の緊張が、どんどん和らぎます。
- 繰り返し、リハーサルをしたり、
- 事前に、会場に足を運んでみたり、
- 会場に入って、ステージに立ってみるなど、
心配事を、ひとつでもなくすように、行動しましょう。
④大きな声を出そう
声が小さいと、弱気に見えますし、心も小さくなってしまいます。
声が大きいと、強気に見えますし、心も大きくなります。
大きな声を出すことで、表情や態度も、堂々とした振る舞いになるのです。
また、意識を、緊張からそらすこともできます。
最初の第一声だけでも、かまいません。
勇気を持って、大きな声を出しましょう。
⑤自己開示しよう
自己開示とは、自分自身に関する情報を、ありのままに伝えることです。
あなたは、自己開示をしてくれる人と、自己開示を一切しない人なら、どちらに好意を持つでしょうか?
きっと、自己開示をしてくれる人に、好意を持つはずです。
実は、自己開示には、返報性の現象があって、
自分が自己開示をすることで、相手も自己開示をしようという意識が働き、仲良くなれる仕組みがあるんです。
世間で、人気者と言われている人は、どうでしょうか?
きっと、自分を良く見せずに、自分の弱みを堂々と自己開示しているはずです。
自分の緊張を包み隠さずに、周囲に明かしてしまうのも、ひとつの手です。
あなたに、親しみを持ってくれますし、場の空気も、和みます。
あなた自身も、驚くほど、心が楽に、なるでしょう。
☆終わりに
あがり症の方は、真面目で、努力家な方が、多いです。
あがり症を克服することで、今まで培ってきた、素晴らしい能力を、開花させることができるでしょう。
あなたが、一日も早く、あがり症を克服し、ハツラツと自信に満ちた毎日を送っていただくことを、心から願っております。