スピーチの目的は、聞き手を楽しませて、雰囲気を盛り上げることです。
ユーモアで聞き手を笑わせることが、スピーチを成功させる条件になります。
目次
結婚式のスピーチ・挨拶のコツ ~友人代表、例文、ネタ~
失敗しないスピーチの作り方 ~自己紹介、結婚式(友人代表)、告別式~
例文①
本日は、谷口家、関口家のご両家は、桜花爛漫なる、このよき日に、めでたく、華燭の典を挙げられ、
新郎、新婦、お二人はもとより、ご両家、ご親族の皆さまにおかれましては、さぞやご満悦のこととお察し致しますとともに、心よりお喜び申し上げます。
…こんな美辞麗句を並べ立てた、紋切り型のスピーチを聞かされたら、聞き手もうんざりしてしまいます。
アメリカでは、「笑いのないスピーチは、犯罪である」とさえ言われ、誰もが、上手に、ユーモアを入れて話します。
スピーチの目的は、聞き手を楽しませて、雰囲気を盛り上げることです。
ユーモアで聞き手を笑わせることが、スピーチを成功させる条件になります。
例文②
私は、このような雰囲気でスピーチをした経験があまりないので、とてもあがっています。
決して、お酒を飲んで、赤い顔をしているわけではありません。
ただいま、新郎新婦は恋の美酒に酔いしれて、赤い顔をしているのでしょうが、私はあがってしまい、呼吸困難になっています。
神は、どうして、こんなに差をつけるのでしょう。
私の親が、この状態を見たら、きっと、私同様、神をうらむに違いないと思います。
たとえあがっていても、これくらいユーモラスに話せれば、聞き手は笑ってくれますし、
スピーチの目的は、達成されたことになります。
例文③
今日はあいにく、雨が降ってしまいましたが、私は今日のスピーチを一ヶ月前から練習しておりますので、急に変えることはできません。
練習通り、やらせていただきます。
菊薫る今日のよき日、空はあくまでも青く高く…
このように、切り出せば、会場は、笑いの渦になるでしょう。
下手に慌てて言葉を変えるよりも、大受して、拍手喝さいになることは、間違いありません。
アクシデントも、対応の仕方によっては、笑いにつながりますし、
受けを狙って、小細工するよりも、よっぽど、効果的です。
明るい表情や、声の調子で、盛り上げよう
ただし、いくらユーモアが大切とはいえ、人前の話に慣れないうちに、無理に笑わせようとすれば、ぎこちなさと不自然さが生じます。
「先に話し手が笑う」などの失敗も、おきがちです。
また、極端に笑いをとりにいくと、
- 聞き手が大笑いすると思っていた箇所で笑わなかったり、
- 逆にシラーッとした顔をされたりしたら、
心が動揺して、最悪の状態になってしまいます。
スピーチで聞き手を笑わすことは、とても難しいのです。
それよりも、
明るい表情と声の調子で話すことを心がけましょう。
これが簡単なようで、なかなかできないのです。
結婚式のように、厳粛な空気のなかでは、気持ちが萎縮してしまうものです。
例文④
新郎、新婦、本日は誠におめでとうございます。
ご両家、ご親族の皆さま方にとっては、さぞやお喜びのことと存じます。
…こんなふうに、言葉上では祝っていても、
緊張のあまり、顔はひきつり、声の調子がボソボソと暗い人をよく見かけます。
これでは、「雰囲気を盛り上げる」という目的を達成することはできません。
極端なことを言えば、
声の調子さえ明るければ、話の内容などなくても、明るい雰囲気を演出することができます。
例文⑤
新郎、新婦、おめでとうございます。
ウワーッ、参った、参った、こんな美人と付き合っていたなんて、全然、知りませんでした。
高校からの親友なのに、お前、どうして何も言わなかったんだよ、水臭いな、お前も。
今日、会場に来て、新婦を見た途端に、ウワーッ、負けた…と、思いましたね。
チキショー、お前は本当に幸せ者だな、いや~、参った、参った、でも、おめでとうございます。
このようなスピーチを、声高らかにしたらどうでしょう。
スピーチのセオリーも敬語もまったく無視した、破天荒なスピーチですが、
いかにも高校時代からの親友にしかできない、心温まる雰囲気が、にじみ出ています。
聞き手を惹きつける材料はありませんが、
明るい調子で話すことで、聞いている人たちも楽しくなって、ワーッと笑い、その場が大いに盛り上がります。
これが、結婚披露宴の特殊性です。
無理に笑わせようとしなくても、明るく楽しく話すだけで、目的を達成させることができるのです。
親しい間柄であれば、多少くだけた表現でもOK。「心からお祝いしたい」という気持ちが伝われば、喜ばれる!