汗の成分は、およそ99%が水、残りは、ごく少量のミネラル、乳酸、尿素などです。
1日の発汗により失われる水の量は、100~8000ml、ナトリウムの量は、5~350mmol。
汗をかく人ほど、塩分が高い食事を好む傾向にあるんです。
目次
1. 汗の種類と、汗をかく所 ~緊張の汗は、限定される~
「汗」(あせ、sweat)、「発汗」(はっかん、perspiration)には、
①物理的な、熱による「温熱性発汗」(おんねつせいはっかん、thermal sweating)、
②感覚的な、味覚による「味覚性発汗」(みかくせいはっかん、gustatory sweating)、
③精神的な、ストレスによる「精神性発汗」(せいしんせいはっかん、mental sweating)、
の、3種類があります。
①「温熱性発汗」は、全身に起きますが、
③「精神性発汗」は、
- 顔、
- 脇、
- 手の平、
- 足の裏、
の、4か所に、限定されます。
2. 緊張による、発汗対策! ~①顔汗、②脇汗、③手汗、④足汗~
①顔汗
②脇汗
③手汗
④足汗
☆薬
①顔汗
首筋を、冷やしましょう。
首筋には、肺以外の全身へ血液を送る動脈の本幹、直径2~3cmの人体最大の血管「大動脈」(だいどうみゃく、aorta)が走っています。
さらに、
首筋の大動脈は、脳に向かって、流れ込んでいます。
さらに、さらに、
首筋の大動脈は、肌の表面に近いところを、走っていますので、
外部から冷やしただけでも、よりダイレクトに血液を冷やすことができます。
つまり、
首筋を冷やすことは、脳温を低下させ、「顔汗」を抑えるのに、非常に効果的だということです。
冷たいタオル、おしぼりやハンカチで、首筋を冷やしてみましょう。
冷却シップなど、首筋を冷やす、様々なアイテムが市販されていますので、
そちらを試してみるのも、いいかもしれません。
また、
汗をかいても、すぐに拭き取れるように、吸水性のすぐれたハンカチも、常備しておきましょう。
なお、女性の場合は、メイクが崩れないように、化粧下地やメイク方法を、工夫してください。
②脇汗
お風呂を最適化しよう! ~入浴の頻度、順序、温度と時間、手順~ | 情報屋
実は、
正しい入浴が、脇汗対策に、一番効果があるんです。
医学的に、清潔とは、
- 皮膚に、病原菌(悪玉菌)が住み着いていないこと、正常な常在菌(善玉菌)が住み着いていること、
- 皮膚に、適度の皮脂が乗っていること、
を意味します。
一方、入浴は、
- 皮膚の正常な常在菌(善玉菌)、
- 皮膚にある程度は必要な「皮脂」まで、
洗い流してしまいます。
- シャワーを浴びるだけで、およそ8割が、
- お風呂に入るだけで、およそ9割が、
- さらに洗うことで、そのほとんどが、
洗い流されてしまうと言われています。
つまり、
入浴のときに、脇の下をゴシゴシこすって洗うと、かえって汚れてしまう、かえって不潔になってしまう、
ということです。
…そこで、私からのアドバイスです。
まず、
正常な常在菌は、弱酸性を好むので、
アルカリ性の石鹸(せっけん)やボディーソープの使用は避けて下さい。
(※石鹸、ボディーソープのほとんどは、アルカリ性です)
次に、
熱い湯は、皮脂を落としやすいので、
ぬるめのシャワーで済ませて下さい。
(※湯船には浸からない)
特に、
優しく肌に触れるなど、
体を洗うときには注意が必要です。
ほかにも、
2回に1回は、石鹸やボディーソープを使用しないなど、
自分なりに何か工夫をしてみるといいかもしれません。
皮膚常在菌は、保湿や活性酸素除去など、お肌の美容と健康にも貢献していますので、
より清潔になるだけでなく、より美しい身体になることができます。
③手汗
- 好きな人と、手をつないだり、
- 偉い人と、握手をしたり、
- 重要な書類を、書いたり…
重要な場面だから、手汗をかきたくないのに、
重要な場面だからこそ、緊張して、手汗をかいてしまう…
基本は、手洗いです。
適度に、手を洗いましょう。
冷たい水で洗うと、汗腺もキュっとしまります。
ですが、洗い過ぎは、禁物です。
脇と同じで、かえって、汚れてしまいます。
手を洗えない場面もありますので、
ウエットティッシュなど、手ふきを携帯しておくと、いいでしょう。
アルコールタイプは、お肌をいためますので、ノンアルコールタイプが、おすすめです。
重要な書類を、書くときには、手の下に、ハンカチをひいている方も、多いようです。
④足汗
サイズの合った靴や、ヒールの低い靴を、履きましょう。
- 靴のサイズが合っていなかったり、
- ヒールの高い靴を履いたりすると、
足がストレスを感じて、発汗が多くなってしまいます。
サイズの合った靴は、足を踏み込んだときのポンプ効果で、靴の中の湿った空気を、外に押し出し、換気してくれますが、
サイズの合わない靴は、
靴の中の湿った空気が、外に出て行かず、非常にむれてしまいます。
意外と、見落としがちなことですが、
ストレスのないサイズやヒールの高さの靴を、履くことで、
余計な汗やむれが、抑えられるのです。
☆薬
クリーム、スティック、ローション、スプレーなど…
実は、
市販の制汗剤は、ほとんど効果がありません。
塩化アルミニウムの含有率が、低いからです。
一方、
病院で処方される制汗剤は、かなりの効果があります。
塩化アルミニウムの含有率が、高いからです。
塩化アルミニウムは、患部に、直接、塗布することで、かなりの制汗効果が期待できますが、
お肌や体への負担が大きく、一般での流通が、厳しく制限されているのです。
もちろん、市販薬でも、お肌への刺激がないわけではありませんので、
使用方法や頻度には、十分に、注意しましょう。