「胸」の呼吸は、緊張と過呼吸を、生み出します。
「胸」を下手に動かすと、筋肉や声帯に、緊張を生み出し、呼気の連続性が、損なわれるからです。
目次
1. 腹式呼吸とは ~2つの呼吸法~
「横隔膜」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)
私たちの肺のある「胸」(胸腔、きょうくう)は、
①肋骨(ろっこつ)と、
②横隔膜(おうかくまく)などで、
構成されています。
私たちが、息を吸ったり、吐いたりするときには、
①肋骨を、広げたり、閉じたりするか、
②横隔膜を、下げたり、上げたりする、
必要があります。
それに合わせて、呼吸法は、
①ラジオ体操の深呼吸など、肋骨を使った「胸式呼吸」(きょうしきこきゅう)と、
②声を良く出すために、横隔膜を使った「腹式呼吸」(ふくしきこきゅう|横隔膜呼吸)の、
2つに大別されます。
私たちの呼吸は、両者の混合で、行われているのです。
なお、女性には「胸式呼吸」が、男性には「腹式呼吸」が、多いと言われています。
2. 腹式呼吸の効果 ~クールダウンと、リラックス~
横隔膜は、
「胸」(胸腔、きょうくう)と、
「腹」(腹腔、ふくくう)を、
隔てています。
ですので、
横隔膜を下げると、お腹が変形し、前方へと突き出ます。
これが、腹筋をはじめとする全身の筋肉の弛緩を促し、
更には、内臓への刺激を伴うことから、
腹式呼吸には、様々な健康効果があります。
- 血圧上昇抑制
- 精神安定
- 脳の活性化
など
一方、
「胸」を下手に動かすと、
筋肉や声帯に、緊張を生み出し、
呼気の連続性が、損なわれます。
これが、歌唱において、腹式呼吸が推奨される理由です。
胸式呼吸は、緊張と、過呼吸を生み出すのです。
緊張してしまうと、どうしても、呼吸が乱れがちになります。
腹式呼吸で、脳にたっぷりと酸素を送り込み、思考をクリアな状態に戻しましょう。
人前で話すときには、
順番を待ちながら、ゆっくりと、腹式呼吸を繰り返すと、
必要以上に、あがらずに、すみます。
また、話し始めてからも、
言葉につまったり、頭が真っ白になったりしたときには、
腹式呼吸で、クールダウン。
なお、腹式呼吸には、ストレス軽減の効果もあります。
就寝前などは、リラックスできて、よく眠れるようになります。
3. 腹式呼吸の方法 ~3つのポイント~
横隔膜を、
ゆっくりと、下げ、
ゆっくりと、上げる。
おへその下に、空気を貯めていくイメージで、
ゆっくりと、息を吸い、
ゆっくりと、息を吐く。
慣れないうちは、お腹に手を当てて、
お腹が動いているのを、確認しましょう。
腹式呼吸の3つのポイント
①口呼吸か、鼻呼吸か
②時間・回数を、意識しない
③呼吸を、意識しない
①口呼吸か、鼻呼吸か
口でも、鼻でも、どちらでも、かまいません。
吸うのも、吐くのも、自分に合った方を、選びましょう。
もし、どちらか、迷うようでしたら、
鼻呼吸を、おすすめします。
口呼吸が、現代人に増えていますが、
これが、精神不安定、判断力低下につながると、言われているからです。
②時間・回数を、意識しない
よく、「○○秒」「○○回」「吐く時間は、吸う時間の2倍」などと、目にしますが、
吸う時間も、吐く時間も、腹式呼吸の回数も、
ベストも、目安も、ありません。
また、「吐く時間は、吸う時間の2倍」は、不自然です。
自然な呼吸であれば、「吐く時間と、吸う時間は、だいたい同じ」になるはずです。
自然な呼吸でなければ、意味がありません。
必要なだけ吸って、必要なだけ吐きましょう。
③呼吸を、意識しない
始めは、仕方ありませんが、
慣れたら、少しずつ、呼吸を意識するのを、やめましょう。
繰り返し、自然と行うことで、
普段の呼吸が、腹式呼吸よりになります。
これだけで、あがり症が、治ってしまうかもしれません。
☆まとめ
呼吸法には、胸式呼吸と、腹式呼吸の、2つがある
腹式呼吸は、あがり症に効果がある
自然な呼吸でなければ、意味がない